卓上CNCを調べていると、どの機種にも「金属対応」と書いてあります。でも、自分が削りたいのはアルミより、チタンとステンレスなんですよね。
そこで、これまで調べてきた6機種について、メーカーが金属をどう書いているかを並べてみました。「対応」の一言でも、中身はかなり違いました。
紹介している機械はどれも未所有・未使用です。2026年10月5日までに確認した公式ページと、これまでの記事の調査に基づく考察で、数値は公表値です。自分で削って確かめた結果ではありません。
先に結論:6機種の書き方
公式ページの書き方を、材料ごとにまとめました。
| 機種 | アルミ・真鍮・銅 | ステンレス・チタン |
|---|---|---|
| Z1 | 得意。アルミは1回1mm未満、厚さ50mmくらいまで | 経験がなければ勧めない |
| Carvera Air | 得意 | 制限つきで対応。長時間は勧めない |
| Carvera | 得意 | 制限つきで対応。長時間は勧めない |
| ED1 | 対応材料に掲載 | チタンは掲載、長時間は勧めない。ステンレスは一覧になし |
| C500 | 対応材料に掲載 | チタン合金・ステンレスも掲載。削った条件は見つからず |
| X1 | 6061アルミの条件を公開 | 304ステンレスとGrade 5チタンを60分以上削った条件を公開 |
出典:Makera Z1のFAQ、Makera・機種比較、TwoTrees ED1、NestWorks C500、ToolDance X1の仕様。オレンジの行は自分が予約している機種です。
なぜチタンとステンレスは難しいのか
表を見ると、アルミと比べてステンレスとチタンだけ扱いが慎重です。
チタンは熱を伝えにくい金属で、削ったときの熱が刃の先にこもりやすく、刃が早く傷みやすいと言われます。なので、回転を落とし、少しずつ削り、冷やしながら加工するのが基本です。GWS Tool Group・チタンの加工
卓上CNCは工場の機械より軽く、主軸の力も小さいので、メーカーが「長時間は勧めない」と書くのは、こうした事情があるからだと考えています。
削れる量の目安:X1の公開値
では、実際にどれくらい削れるのか。数字で出していたのはX1だけでした。メーカーが試験室で、各条件を60分以上続けて確かめた値です。
| 材料 | エア冷却 | 液で冷却 |
|---|---|---|
| 6061アルミ | 15 cm³/分 | 24 cm³/分 |
| 304ステンレス | 1.664 cm³/分 | 3.12 cm³/分 |
| Grade 5チタン | 1.248 cm³/分 | 2.496 cm³/分 |
出典:ToolDance X1の仕様。刃の直径や回転数も条件ごとに書かれています。メーカーは、これが機械の最大の性能ではないことと、材料・刃・固定で結果が変わることも書いています。
エアで冷やす場合、チタンはアルミの約12分の1(15÷1.248)、液で冷やす場合も約10分の1(24÷2.496)の量しか、同じ時間で削れません。ステンレスも約8〜9分の1(15÷1.664、24÷3.12)です。
小さなキーキャップなら削る量も少ないので、時間がかかっても作れる範囲だと思います。一方で、大きな塊から削り出すような部品は、時間と刃の消耗がかなり増えそうです。詳しい条件の読み方はX1の記事にまとめています。
選ぶときの目安
ここまでを、削りたい金属ごとにまとめるとこうなります。
- アルミ・真鍮・銅が中心:どの機種も候補。大きさや価格で選べます(Z1とCarvera Airの違い)。
- ステンレス・チタンもときどき:「制限つき」の機種でも、小さな部品を短い時間で削るなら候補に残ります。まずアルミで加工の指示を確かめてから、チタンに移るのが安全です。
- ステンレス・チタンが中心:削った条件を公開している機種や、冷却とパワーに余裕のある機種を優先して見ます。
自分ならどうするか
自分が作りたいのは、チタンのキーキャップのような小物です。なので、チタンとステンレスを60分以上削った条件まで公開しているX1を予約しました。
ただ、X1の数字もメーカーの試験室の値で、自分の部品でも同じように削れるかは別です。実機が届いたら、まずアルミで形を確かめてから、チタンを削ってみるつもりです。そのときの結果は、この記事に追記します。
更新履歴
- 2026-10-05:初版。6機種の公式ページとX1の公開値を確認。