実は、元々欲しかった卓上CNCがMakeraの「Carvera Air」でした。

クラウドファンディングから時間がたっていて、情報もそれなりに出回っていそうです。Makeraは入門機のZ1でもクラウドファンディングをしていて、日本でもよく見かけるメーカーなので、安心感があるんですよね。

ただ、海外の機械なので、日本から買うとなると分からないことだらけです。どこで買えるのか、総額はいくらか、100Vで動くのか。検索候補にも「Carvera Air 日本」「購入」「どこの国」が並んでいたので、同じところで迷っている人は多そうです。そこで、日本から買う目線で一つずつ確かめました。

Carvera Airは未購入・未使用です。2026年10月4日に確認したMakeraの公式ページ、Makuake、税関の資料に基づく購入前の調査で、数値は公表値です。

5つの問いで見ると

日本で買えるかの前に、そもそも自分の作りたいものに合うのかを、いつもの5つの問いで整理しました。

問い分かったこと(根拠)
① 作りたいものは作れる?アルミ・真鍮・銅が得意。鋼とチタンは「長時間の加工は非推奨」(公式)
② この機械にしかできないことは?囲いと自動測定がそろって、本体はCarveraの半額以下。4軸・レーザーも足せる(公式)
③ 面倒は減る?材料と工具の測定は自動。工具交換は手で、1回約10秒(公式)
④ いくらで、ちゃんと使える?2,299米ドル〜。消費税は受け取る側。100V対応、保証1年(公式/計算)
⑤ 続けられる?刃・材料・部品は公式ストアで買える。集じん機は別売り(公式)

日本ではどこで買える?

元々欲しかった機械なので、まずは本当に買えるのかを確かめました。入り口は三つありました。

買い方10月4日の状況
公式ストア(Global)買える。中国の倉庫から発送、11〜13営業日
Makuake2025年9月25日に終了
Amazon.co.jp出品あり。出品者はMakera以外で、832,084円

公式ストア(Global)

Globalストアで買った場合、日本に届くまでの流れはこうなります。Makera Global・配送ポリシー

Carvera Airを日本で買うときの流れ1 注文:Makeraの公式ストア(Global)で、価格はドル。2 発送:中国の倉庫から。注文処理1〜3営業日、配送11〜13営業日。3 通関:受け取る側が負担。関税は無税の区分、消費税は10%で、個人使用なら価格×0.6が基準。4 到着:梱包は約50kg。送料は注文画面で確認。 日本に届くまでの流れ Makera公式ストア(Global)で買う場合 1234 注文発送通関到着 公式ストア(Global)。日本語表示あり、価格はドル 中国の倉庫から。処理1〜3営業日、配送11〜13営業日 日本向けの本体は、受け取る側が税金を払う 関税は無税の区分。消費税10%(個人使用は価格×0.6が基準) 梱包は約50kg。送料は注文画面で確認 Makera公式の配送ポリシー・FAQ、税関の資料(2026年10月4日確認)から作図
Makera公式の配送ポリシー・FAQと税関の資料をもとにした作図。

いちばん気をつけたいのは3番目で、日本向けのCNC本体は受け取る側が通関と税金を負担します。

カナダ・英国・オーストラリアなどではMakeraが税金を負担するので、日本は条件が違います。

Makuake(終了)

2025年のMakuakeでは、本体が299,900〜344,900円(税込)で、一般販売の予定価格は449,900円(税込)でした。日本でのマーケティングとプロモーションはMadSpace Japanが担当していると書かれています。Makuake・Carvera Air

Amazon.co.jpと保証

Makeraの保証は、受け取った日から1年です。ただし対象は「Makeraか、Makeraの認定販売店から買った製品」なので、Amazonで買うなら、出品者が認定販売店かどうかを先に確かめたいところです。消耗品は保証の対象外です。Makera・保証

総額はいくらになる?

公式ストアで買うとして、日本に届くまでにいくらかかるのか。10月4日は「5周年記念セール」中で、価格は次のとおりでした。

セット価格(通常価格)
本体2,299米ドル(2,699)
レーザー・バンドル2,398米ドル(2,798)
4軸セット2,698米ドル(3,098)
4軸+レーザー2,797米ドル(3,197)
オールインワン・バンドル3,096米ドル(3,496)
究極のメイカー・バンドル3,715米ドル(4,115)

本体だけを、1ドル150円として計算するとこうなります。

項目金額の目安
本体(2,299ドル)344,850円
関税0円(無税の区分)
消費税(10%)約20,691円
送料・手数料注文画面で確認
合計約365,541円+送料・手数料
  • 関税が0円の理由:税関の関税率表(2026年4月1日版)では、数値制御式の金属用フライス盤(8459.61)も、木材などの切削用(8465.92)も無税です。どちらに分類されるかは税関の判断ですが、どちらでも無税でした。税関・実行関税率表 第84類
  • 消費税が安く見える理由:個人が自分で使うために輸入する場合、税金の計算に使う価格は「海外の小売価格×0.6」になります。344,850円×0.6=206,910円の10%です。税関・カスタムスアンサー1111

為替は日々変わるので、実際は注文時のレートで計算し直してください。配送業者の立替手数料がかかることもあります。

日本の100Vで使える?

総額の次に気になったのが、家のコンセントでそのまま動くかです。

公式の仕様は「100〜120VAC/200〜240VAC、50/60Hz、最大入力400W」。日本の100Vは範囲に入っていて、400Wなら家庭のコンセントの容量にも収まります。Makera Global・Carvera Air

操作はUSBか無線LAN(Wi-Fi)でつなぎます。日本で無線の機器を使うには技適(電波法の認証)が必要ですが、公式ページでは技適の取得状況を確認できませんでした。分かるまではUSBでつなぐのが無難だと思います。

どこの国のメーカー?

お金と電源のめどが立ったところで、作っている会社のことも確かめました。Makera・会社概要

  • 2019年:Makera設立
  • 2021年9月:最初の機械「Carvera」をKickstarterで発表。588人から170万ドル以上
  • 2024年4月:Carvera Airを発表。2,098人から347万ドル以上
  • 2025年10月:入門機「Z1」。1,024万ドル

製造拠点は中国の安徽省で、米国向けのサイトは米国法人(MAKERA US INC、テキサス州オースティン)が運営しています。

CarveraやZ1とどう違う?

同じMakeraには、上のCarveraと、安いZ1もあります。公式の比較表から抜き出しました(価格は10月4日のセール価格)。Makera・Carvera Air

項目Carvera AirCarveraMakera Z1
加工範囲300×200×130mm360×240×140mm200×200×100mm
主軸200W、13,000rpm200W、15,000rpm150W、13,000rpm
工具交換手で交換自動(6本)手で交換
重さ約30kg約50kg約17kg
集じん外付けが必要内蔵下へ排出。集じん機を推奨
レーザー別売り(5W)内蔵(2.5W)別売り
価格2,299米ドル〜5,299米ドル〜1,399米ドル〜
透明なカバーの中に4軸モジュールを取り付けたMakera Z1。横に、アルミや真鍮を削った見本の部品が並んでいる
こちらはCarvera Airではなく、同じMakeraのZ1。大阪の展示で、4軸モジュールが付いた状態でした(2026年10月4日、筆者撮影)。

表から読める選び分けは、だいたいこうです。

  • 工具交換まで任せたい:Carvera
  • 安く、小さく始めたい:Z1
  • その間で、加工範囲と価格のバランスを取りたい:Carvera Air

自分が惹かれた自動プローブは、3機種とも持っています。工具の長さや材料の表面を測り、材料の凸凹を見つけて補正する機能で、公式は手作業の準備を減らせるとしています。

ATCが欲しいなら、Makera以外にも、5本のATCを持つTwoTrees ED1のような候補があります。なので自分は、Carvera AirをATCの有無で選ぶ機械とは考えていません。

削れる材料は?

自分にとって工具交換より大事なのが、削れる材料です。公式の対応はこうなっています。Makera・Carvera Air

  • 金属:アルミ・真鍮・銅が得意。鋼とチタンは制限つきで、長時間の加工は勧めない
  • 木材:硬い木、柔らかい木、MDF、合板など
  • 樹脂:ABS、アクリル、ポリカーボネートなど
  • 複合材:カーボン、基板(FR4)など

作りたいのは、チタンのキーキャップのような小物です。ステンレスは鋼の一種なので、Carvera Airでは鋼と同じ「長時間は非推奨」の扱いになると考えています。今は、チタンを削った条件を公開しているToolDance X1を予約しています。

反対に、アルミや真鍮の部品、基板、木や樹脂の小物が中心なら、囲いと自動測定がそろって2,000ドル台という組み合わせは魅力的だと思います。

何がそろえば買うか

自分の判定は「今は見送り」です。自動プローブには今も惹かれていますが、チタンとステンレスまで削りたい自分の用途とは、得意なところが違います。

判定が上がるとしたら、次のどちらかです。

  • チタンやステンレスを削った条件(工具、回転数、送り、加工時間)が公式から出て、続けて削れると分かる
  • 作りたいものがアルミや真鍮中心に変わる

アルミや真鍮、基板が中心の人なら、買う前にこの3つを確かめれば判断できると思います。

  • 日本までの送料と、消費税を足した総額
  • 外付けの集じん機と、エアを使うならコンプレッサーの費用と置き場所
  • 無線LANを使うなら、技適の取得状況

更新履歴

  • 2026-10-04:初版。公式ストアの価格・配送条件、税関の資料、Makuake、Amazonの出品を確認。