音を聴くとき、その場にいるような感じがするイヤホンです。
final TONALITE(トナリテ)を、クラウドファンディングで支援してから約1年使ってきました。ふだんはTechnicsのEAH-AZ100と2台持ちで、音をちゃんと聴きたいときはTONALITE、通話するときはAZ100、という使い分けです。最近、TONALITEが壊れて交換してもらい、設定をやり直したのをきっかけに、1年分の感想をまとめることにしました。
先に書いておくと、音の違いは測定器で測ったわけではありません。今は測る器具を持っていないので、ここに書く音の話は、約1年聴いてきた自分の感想です。
使ってきた条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入手 | GREEN FUNDINGで支援。支援額は31,840円 |
| 使用期間 | 約1年。右耳が故障して交換してもらい、交換後にDTASを設定し直した |
| 使い分け | 音をちゃんと聴きたいとき、両耳で使える環境で音楽を聴くときはTONALITE。通話や普段使いはTechnics EAH-AZ100 |
| 比べたもの | 買う前に、ヨドバシカメラの店頭でAirPods Pro 3やAZ100などを聴き比べた |
| 測定 | なし(測定器を持っていない) |
音:煌びやかなAZ100と、その場にいるTONALITE
TONALITEの音は、なんかいいんです。定性的な言い方になってしまいますが、AZ100が煌びやかでいい音なのに対して、TONALITEはその場にいる感じで聴けます。
環境音も、その場にいるように聞こえます。約1年使っていても、たまに、その場で演奏されているような感覚になることがあります。
好みで言えば、自分はTONALITEの自然な感じのほうが好きです。AZ100は、煌びやかな音楽を聴くとすごくいいです。両方を1年近く同時に使ってきて、この差はけっこうあると感じています。いつかちゃんと測ってみたいです。
この「自分に合わせた音」を作るのが、TONALITEの一番の特徴であるDTASです。スマホのカメラで頭や耳の形を撮り、その人の耳に届く音を計算して調整する仕組みです(final公式の製品ページ)。
DTASの設定:横顔の撮影で4回ほどやり直した
DTASのデータは、測定に使ったイヤホン本体に結び付いていて、別のTONALITEには引き継げません(公式サポート)。なので、交換してもらったあと、設定を最初からやり直しました。
つまずいたのは、横顔を撮るところです。一見うまく撮れているのにエラーが出続けて、4回目くらいでやっと通りました。それ以外は特に問題なく終わりました。
注意点は、設定のあいだ、アプリを画面に出しっぱなしにしておく必要があることです。そのあいだはスマホでほかのことができないので、時間に余裕があるときにやるのがいいと思います。
公式の情報では、次のようになっています。
- 頭のスキャン、耳の撮影、耳の穴の測定の順に進みます。インカメラのあるスマホでの実施が推奨されています。
- 耳は、真正面ではなくわずかでも斜めから撮ると、計算結果に影響が出ることがあるそうです。
- 実施の回数に制限はないので、うまくいかなくても何度でもやり直せます。
- 2026年4月のアプリ更新で、設定にかかる時間は従来の約60分から最短約10分に短くなりました(AV Watch)。
ノイズキャンセリング:ちゃんと効く。ただ一番はAirPods Pro 3
ノイズキャンセリングは、ちゃんと効きます。
ただ、買う前に店頭で聴き比べたときは、ノイズキャンセリングはAirPods Pro 3が一番でした。普通にいいイヤホンが欲しい人なら、AirPods Pro 3を買えば間違いないと思います。それでも音の点では、AZ100とTONALITEはやっぱり何か違う感じがしました。
ちなみに、TONALITEのノイズキャンセリングは「音質優先」と「ANC(静寂性)優先」から選べますが、DTASで合わせた音を使っているときは音質優先に固定されます。ノイズキャンセリングをオフにする設定もありません(公式の製品ページ・サポート)。
気になったところ:風の音、通話、タッチの誤反応、右耳の故障
約1年使って、気になったところは4つあります。最初の2つ、風の音と通話は、AZ100を普段使いにしている理由でもあります。
風の音がけっこう入る。 本体が大きいせいか、外で風があると、風の音がけっこう入ります。本体が小さめのAZ100では、風の音は気になりません。
通話の声がこもる。 自分は小声で話すことが多いのですが、相手には、こもった感じで聞こえるらしいです。AZ100の通話は申し分ないので、通話はAZ100にしています。
最初のころは、タッチの誤反応が多かった。 耳元が何かに当たると、タッチ操作が反応してしまうことがよくありました。2026年6月のアプリ更新でASMRモードが追加されてからは、このモードにするとタッチ操作が止まるので、問題なくなりました(ASMRモードの追加はApp Storeの更新履歴。使うには本体のファームウェアをV2.5.0以上にする必要があります)。タッチ操作だけなら、アプリの「タッチコントロール」で3つのパターンから選ぶか、オフにすることもできます(公式マニュアル)。
約1年で右耳が故障した。 右耳の音がとぎれとぎれになり、耳に当たる角度によって聞こえなくなっていって、最後は聞こえなくなりました。交換してもらって、今は新しい個体を使っています。自分の1台だけの例なので、壊れやすいかどうかまでは分かりません。
AZ100、AirPods Pro 3との使い分け
1年使ってみて、自分の中ではこう分かれています。
| 自分の使い方・感想 | |
|---|---|
| TONALITE | しっかり世界に入り込みたいとき。自然で、その場にいるような音が好み |
| AZ100 | 普段使い。煌びやかな音楽にすごく合う。風の音が気にならず、通話も申し分ない |
| AirPods Pro 3 | 店頭で聴いた範囲では、ノイズキャンセリングが一番。普通にいいイヤホンが欲しいならこれ |
なので、TONALITEは1台で何でもこなすイヤホンというより、音を聴く時間のためのイヤホンだと思います。2台目として持つか、通話や風の音をあまり気にしない使い方なら合うと思います。
買う前に確認したいこと
2026年10月31日に確認した内容です。
- 価格:公式ストアでは39,800円です(公式ストア)。Amazonのセールでは、2026年1月に35,830円になっていたこともあります(PHILE WEB)。自分が支援したクラウドファンディングでは、一般価格より2割ほど安い31,840円からの支援コースがあり、自分もこの金額で支援しました(PHILE WEB)。
- 保証:1年です(公式サポート)。故障して交換してもらったときは、DTASの設定をやり直すことになります。
- 電池:イヤホン本体で最大9時間、充電ケース込みで最大27時間(公式の製品ページ)。
- 防水:IPX4です。生活防水なので、お風呂では使えません(公式サポート)。
- 接続:Bluetooth 6.0で、LDACに対応しています。2台のスマホやパソコンに同時につなぐマルチポイントにも対応していて、アプリで切り替えます。工場出荷時はオフです(公式サポート・マニュアル)。
- DTASの準備:ヘアバンドとARマーカーシールは付属しています。推奨OSはiOS 17以上、Android 14以上です(公式の製品ページ)。
まとめ
TONALITEは、雨音や演奏をその場にいるように聴きたい人に向いたイヤホンです。
一方、風の音と通話は、普段使いの1台としては弱いところでした。ノイズキャンセリングの強さや、何でもこなす1台を求めるなら、AirPods Pro 3のほうが合うと思います。自分は、通話と普段使いをAZ100に任せる形で落ち着いています。
